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「第11回共に生きる障がい者展」盛大に開催する
『第11回共に生きる障がい者展』を、今年度も大阪府、大阪府教育委員会と共催で11月23日(土)、24日(日)の2日間『国際障害者交流センター(ビッグ・アイ)』において盛大に開催しました。
多目的ホールでは、午後1時から『堺市立三原台中学校吹奏楽部』の迫力のある吹奏楽演奏でオープンし、午後2時から『開会式典』が開催されました。
開会式典
NHK大阪放送局 住田功一アナウンサーの司会により、午後2時から開会式典を開催し、主催者の植田 浩大阪府副知事と当協会理事長草川大造の挨拶の後、大阪府議会議長の浅田 均様から「この障がい者展に参加された皆さんが、共にふれあい楽しんでいただき、地域での交流はもとより、障がいのある方々の自立と共生社会の実現に向けて、一層理解を深めていただくことを期待しております。」とのご祝辞がありました。
次に、地元堺市副市長の田村 恒一様から、「昨年、障害者の地域生活を支える総合的な拠点として、『堺市立健康福祉プラザ』を開所し、その中で『障がい者やその家族の方々の自主的な活動や、市民の交流の拡大、社会参加や地域生活の支援』を目的に各種の文化芸術・レクリエーション事業が行われています。」と施設の紹介があり「今後とも『障がい者が住み慣れた地域で、主体的に、共生・協働のもと生き活きと輝いて暮らせる社会の実現』に向け、積極的な取り組みを進めてまいります。」と竹山堺市長の祝辞を述べられました。
続いて登壇者の来賓紹介と主催者の紹介があり、祝電披露がありました。
盲導犬育成資金贈呈式
演歌歌手中村美津子さんから、植田副知事に盲導犬育成費用の目録の贈呈があり、植田副知事から中村美津子さんへ感謝状の贈呈を行いました。
その後、副知事と中村美津子さんの記念撮影の後、中村美津子さんから「盲導犬の寄付活動は、『河内おとこ節』(94年)が大ヒットし、NHK紅白歌合戦に出場するきっかけとなったことから、応援してくれた人たちへのお返しとして始めた。95年には目の不自由な夫、沢市とそれを世話するお里の話しを歌った歌謡浪曲「壺坂情話」を出したのを機に、在阪の作詞家もず唱平の提案で、盲導犬育成を支援する『みつまめ会』も発足させている。」とのスピーチがあり、会場からの歌唱リクエストに応えて『河内おとこ節』の一節をアカペラで歌って、会場は大いに盛り上がった。
ふれあいトーク
(出演者の皆様と司会の住田さんとのトークです。)
住田さん:
今、季節は秋、秋と言えば『芸術』。『ふれあいトーク』では、障がいのある人もない人も共に暮らしやすい社会の実現を目指して、地域で暮らしを営みながら芸術活動に取り組まれている障がい者の方とその支援者に『芸術』について語っていただき、それぞれの障がい者の方の『共に生きる』姿を通じて、皆様に障がい者の自立・社会参加の推進について考えていただく機会になることを願っています。続いてご出演されている4組6名の方についてご紹介いたします。
・・スクリーンにスライドの画像が投影・・
宮脇さんは、障がい者支援施設『大阪ワークセンター』の利用者により結成されたバンド『空』(そら)の代表者であり、ギター演奏を担当され、昨年度は『大阪府障がい者芸術・文化コンテスト2012』に出演されるなど地元を中心にバンド活動を続けておられます。
久保さんは、難病である網膜色素変性症の府内の患者メンバーで結成されたコーラスグループ『ラララコーラス』の代表者であり、合唱ではアルトを担当され、この『ラララコーラス』の皆さんも昨年度の『大阪府障がい者芸術・文化コンテスト2012』に出演され、『審査員特別賞』を受賞されるなど地元堺市を中心に活動されています。
柴田さんは就労継続支援B型事業所『アトリエ ユウの家』で、絵画制作を行っておられます。東京の民間ギャラリー主催『ポコラート全国公募』に毎年度応募、入選等されるとともに、大阪府主催『現代アート世界に輝く新星発掘プロジェクト』では優秀賞を受賞され、作品が企業ノベルティのデザインにも起用されるなど、幅広い制作活動を行っておられます。
水野さんは、柴田さんの支援者として社会福祉法人『ユウの家』で絵画講師としてご活躍されるかたわら、作家活動、日本画制作などをなさっておられます。柴田さんの支援者としての立場からお話をお伺いします。
出口さんは、株式会社『PASまいんど』(パスマインド)の絵画教室に通っておられます。出口さんも大阪府主催の『現代アート世界に輝く新星発掘プロジェクト』で優秀賞を受賞しておられます。
大坂さんは、出口さんの支援者として株式会社『PASまいんど』で絵画講師をなさっておられ、平成5年より絵画講師として児童幼児などのご指導にあたられる一方、童話集や絵本出版などの作家活動も行っておられます。出口さんの支援者としての立場からお話をお伺いします。」
住田さん:
アーティストをめざす障がい者の方、地域で暮らしを営みながら芸術活動にどういう風に取り組んでいるのか、今後の夢や目標などについて語っていただきます。
宮脇さん:
約3年前から大阪ワークセンターの利用者の仲間で、ギターの私とサクソフォンの横手さん、ピアノの上西さんを中心に結成しました。和泉市のイベントに出演したことが、活動するきっかけとなりました。
・・場内にはスライドで演奏の様子とテープで『翼をください』とビートルズの『レット・イット・ビ―』が流れる。・・
住田さん:
皆さんはどのくらい練習なさっていますか。
宮脇さん:
ボーカルの濱田さんが加わり4人のメンバーになり時間を見つけながらやっている。良かったと言っていただけるのが一番の力となります。
・・スクリーンに、コーラスグループ『ラララコーラス』の画像が投影・・
住田さん:
久保さんは、『ラララコーラス』の代表としてお越しいただいています。団員は何人いますか。
久保さん:
団員は25名と盲導犬4頭の仲間です。網膜色素変性症は難病の一種で、患者会が集まってやってます。その中でコーラスをしたいという声が出て、アメリカに行かれた前川さんという方がボランティアで教えてくれました。今は、石川先生に教えてもらっています。
住田さん:
テープを聴いてみましょう。
・・場内にイタリア歌曲として有名な『カーロ・ミオ・ベン』が流れる・・
久保さん:
『カーロ・ミオ・ベン』は『愛しい人』という意味で、難しい曲です。
住田さん:
コーラスを続けて来られて、ご苦労されたお話しなどお話いただけませんか。
宮脇さん:
指導していただいている石川先生のご苦労が何より大変だったと思います。先生も視覚障がい者です。私たちは目が見えないので歌詞がわからない。耳で聞いて覚えます。石川先生は、楽譜や歌詞もないので、何度も何度も歌ってくださって私たち耳で覚えました。
・・柴田さんの作品がスクリーン投影・・
住田さん:
大阪府主催の『現代アート世界に輝く新星発掘プロジェクト2012』で優秀賞を受賞された作品がでていますが、何か小さな字が書かれてありますが。
水野さん:
柴田君はもともと数字を描くことが大好きで、人の生年月日も挨拶代わりに聞いて、覚えた人の生年月日で絵を描いています。
住田さん:
これは全部数字、数字が非常に滑らかな曲線で書かれている。数字で書くのもきわだった手法と思います。
水野さん:
柴田君は聞いた生年月日から誕生した日の曜日を当ててくれるので、柴田君は住田さんの生年月日を聞きたいと思っていますよ。
住田さん:
1960年1月14日生まれです。
柴田さん:
(即座に)木曜日です。
住田さん:
曜日がわかるんですか。(柴田さんが作ったノートを住田さんに渡す。表紙は全部数字が書かれている。)
どうして数字で書こうとしたのですか。
水野さん:
数字を書くのが大好きだからです。今の障がい者のアートは、一つは障がいある人の作品を、芸術作品として価値を見いだすものと、一つは本人の内面を外に出そうという表現活動の二つに別れ分かれると思います。
ユウの家ではどちらかというと表現活動に近い。柴田くんは書くことを大切にしていて、できあがった作品よりも書き上げる時間を大事にしています。
数字ばかり書くので、いろんな応募展に出してみたところ入選・入賞をいただきました。表現活動の先に芽が出てきたのかなと感じています。
住田さん:
キャンバスにある作品1枚をどれくらいの時間で書かれましたか?
水野さん:
2列で1時間ぐらいかけて書いてます。北島三郎さんとか、いろんな人の生年月日が書いてあります。
住田さん:
10列位あるので数時間かけたらこれができ、微妙に色がちがってハーモニーがありますね。
・・出口さんの作品がスクリーンに投影・・
住田さん:
モザイク画で、これはどういう絵なんですか。
大坂さん:
タイトルは『レインボーバード』という作品で鳥の形をイメージして書いてもらっているモザイク画です。
(この作品のカラフルで元気な詳しい画法のご説明も含め、出口さんの絵画作品についてお話していただきました。)
住田さん:
(実物の作品を見て)これを作るのにどれくらいの時間がかかりましたか。
大坂さん:
着色するのに何枚も作るので、1時間半ぐらいかかります。貼るのに1時間半ぐらい、最後に絵の具で仕上げるので、7時間ぐらいはかかります。
住田さん:
出口さんはどんな時間に創作活動されるのですか。
大坂さん:
デイサービスに来られてまして、毎週水曜日に絵画を入れて、そこで参加してもらっています。
住田さん:
この絵を描いた後どんな気持ちでしょうか。
大坂さん:
にっこりしています。
住田さん:
それぞれのスタイル、それぞれのタイプというのがありますが、こういうスタイルができあがることになったというのはいつ頃ですか。
大坂さん:
最近自信が持てて、どこでおわったらいいかということが、明確に判断できるようになりました。前までは作品自体のエネルギーは持ってられ集中力はありましたが、いろんな制限があると、その通りにやらなくてはいけないという気持ちになって、しんどくなり前に進めなくなる、そういうことを無くして、もっと開放したらどんどん楽しくなっていきます。切ったり貼ったりと言う前に、さっさとやってしまえる集中力があります。
住田さん:
いろんな評価コンテストやステージに参加することは、励みになるんでしょうか。
大坂さん:
今年のコンクールで優秀賞をいただいたということが大きな力になっています。たくさんの方に見ていただいて褒めてもらって、出口さんこんなに制作するのや書くのが好きだったんだ。と感じ、賞をもらうことで弾みになりました。
住田さん:
(柴田さん水野さんコンビニに)賞をもらうということはいかがですか。
水野さん:
うれしいことです。
住田さん:
賞を受賞するとかコンテストがあるとか発表会があると皆さんの励みになるんでしょうか。
久保さん:
稽古しているだけではなく、発表会に出るということが一番です。昨年ビッグ・アイで賞がもらえたということがとても感激しました。うれしかった。ヘルパーさんの関係で月に1回しか練習がないんです。1回で覚えなければいけないというプレッシャーがあります。皆さん熱心でどんどん覚えていきました。
宮脇さん:
こうしたイベントに出ることは、共有できるものがありますし励みになります。
住田さん:
柴田君の作品がどんなノベルティになったのですか?
水野さん:
メモ帳の表紙に使われました。有名になりつつあります。
住田さん:
今後の夢・目標・どんなことにチャレンジしたいな。自分の作品がこんなところでできれば、メンバーが増えたりこんな風な構成になったらいいなということを聞かせてください。
宮脇さん:
自分の障がいを受け入れられなかったが、イベントに出ることで自分の居場所ができた。今後の目標としては、施設内での演奏だけでなく、地域の中でバンドの『空』の皆んながそれぞれ主人公となって活躍できればいいな。今までは皆さんから元気をもらう立場だったが、自分たちバンドのメンバーが元気を与えられる存在になりたい。
久保さん:
コーラスはみんなで力を合わせないとできないので、ひとりぼっちで家におられる方を誘い出して、一人でも増えたらうれしいです。
水野さん:
私たちは言葉でうまく相手に伝えることができるが、彼らはうまくできないので、絵というものはすごく大事なものです。楽しく書いてもらったらいいなということと、先ほどのノートと絵画は飾っているところに足を運ばないと見てもらえないが、絵を商品にすることでいろんな人に見てもらえて、障がいを知ってもらえるので、これからも楽しく続けていくことが大事かなと思います。
住田さん:
いろんなところで絵が広がっていったらいいですね。
大坂さん:
障がいがある人と無い人をたくさん教えていますが、どんな子供も生まれてきたときは可能性と光を持って生まれてきます。その可能性の入った引き出しを引き出すのが私の役目と思っています。
年に2回障がいのある方と無い方のワークショップをやっています。障がいのない人もある人のことを認知してもらいたい。子供たちは素直なので慣れ親しんでお友達になってくれる。そういう方が大人になって、共存できるような社会とかそういうものを作ってもらいたいというのが私の夢です。
出口さんは、何かあると家族が登場します。そのテーマを大切にして、作品に生かしたいと思います。
出口さん:
ちょっと今できるかな!
住田さん:
できるかな! でもその言葉の先にいろんなアイデアがあるような気がしますよ。これからもいろんな楽しい絵を見せてくださいね。
出口さん:
はい。
住田さん:
(会場に向かって)去年は『スポーツ』に関わる皆さんをご紹介しましたが、今年は、『音楽や絵、アート』に打ち込んで、それぞれの場・時間を工夫して地域から周りの人たちにいろんな情報を発信していらっしゃる皆さんを紹介しました。
・・会場から出演者の皆さんに盛大な拍手・・終了。
ふれあいトーク&ミニライブ
引き続き車いすのアーティストとして全国で講演をされている佐野有美さんの『さわやかトーク&ミニコンサート』を開催しました。
〜司会者の住田さんからのご紹介〜
佐野さんは、愛知県出身で先天性四肢欠損症でお生まれになり、高校在学中、チアリーディング部に所属し、ご活躍。卒業後は声を使ったパフォーマンスで人々を魅了する夢に向け、ご自身の体験などを語られる講演会などを熱心に行っておられます。また、自らの詩集『あきらめないで』から選ばれた詩が曲となり、CDを発売。アルバムは2011年日本レコード大賞の企画賞を受賞されています。
前半のトークでは、ご自身の体験を通じて『障がい』について、講演をしていただきました。
〜佐野さんのトーク〜
小学生の時、「一人で泳ぎたい」と言ったら、「手足が無い子が一人で泳ぐのは危ない」とみんなが反対したけど、父から「何事もやってみないとわからない。」と励まされて100m泳ぐことができた。「どうしたら泳げるかって?」それは『有美泳ぎ』でバタフライのように体をくねらせてクルンと仰向きになったりクルンと戻ったりして泳ぎます。周りの人はびっくりしていました。
食事と字を書くことは、左足の3本指で皆さんと同じスピードでできます。メイクも自分でやっていますが、『つけまつげ』は非常に難しいです。障がいのためにできないと思っていましたが、大人になって、何事も「出来る」か「出来ない」ではなく、「やりたい」のか、「やりたくない」のかで、障がいとは関係がない。自分でできることを、やれる方法を考えて行動していくことが大事だと気がついた。メイクは2時間かけてやっている。やれることは自分でやっていき、目標は自立をすること。いつかは一人暮らしをしたい。トイレと入浴は一人で出来ない。人に頼むとき手がないので、前の人に肩をたたくことができない。人に頼むときは声を使わなければならない。障がいを持っていて、人に迷惑をかけるばかりと思って、自分のことが嫌いになったことがあった。
それを乗り越えたのは高校に進学してチアリーディング部に入部してからです。チアリーディングは、手足を使ってダンスをする。踊ることができないので、見ているだけだったが、顧問の先生から「口があるでしょう。声を生かしていきなさい。」と言われて『私には声がある。』と知った。出来ないことは声を使って出来るようになった。『この声を生かそう』と夢ができた。声によってみんなの力になれたらいいなと講演活動と音楽活動をしています。
佐野さんは3歳の時から足で字を書いているので、色紙に足で4つの言葉の『ありがとう』『笑顔』『支え合う』『絆』をサインして披露されました。
佐野さんは、色紙に書いた4つの言葉について、「声を使うことでたくさんの方と出会いを重ねることで、一番感じることは『ありがとう』でした。『ありがとう』と言うと自然と『笑顔』が生まれ、『笑顔』が生まれると今度は『支え合い』が生まれる。この人達のおかげで今の私がいる。明るく生きていくことができている。皆さんのために私は精一杯生きていきたい。『支え合い』が生まれると最後に『絆』が生まれる。人は『絆』をつかむと大きな大きな夢や希望をつかむことができます。声を使う仕事ができるのも、こうやって集まってくださっている皆さんのおかげです。皆さんと『絆』ができたらいいなという思いで講演させてもらっている。」と話されました。
佐野さんのサイン色紙を会場内からほしいとの声があり、11月が誕生日の方に差し上げることになりました。
最後に「声を使う仕事として、自分は昔より笑顔があり、両親が障がいある娘としてではなく、一人の娘として明るく育ててくれたのだと思います。これからも声を使って自分らしく多くの方の誰かの力になれるよう精一杯活動していきたい。」とご講演をいただきました。
後半のミニコンサートでは、司会者から『歩き続けよう』、『キミがいてボクがいる』、『風の応援(エール)』の3曲とも、佐野有美さん自ら作詞され、最初の曲『歩き続けよう』は日本ハムの稲葉選手が入場曲にされていますとの紹介がありました。
佐野さんは素晴らしい歌声で、デビュー曲の『歩き続けよう』では、「生まれてきただけで感謝」、「わたしがんばるからみんなもあきらめないで」、次の『キミがいてボクがいる』では、「生まれてきてくれて本当にありがとう」、3曲目の『風の応援(エール)』では、「あたたかな応援(エール)をいまこの瞬間(とき)を感じてゆこう」と佐野さん自ら作詞されました歌詞で歌われ、障がいのある人もない人も共に暮らしやすい社会をつくっていくことを目指して開催している『共に生きる障がい者展』にふさわしい素敵な歌を来場者に披露していただきました。
ミニコンサート終了後、ホール出口付近では、佐野さんが皆様のご退場をお見送りし、記念写真を撮ったりおしゃべりのふれあいタイムがありました。
第35回障がい者作品展
大阪府内の障がい者関係福祉施設等に通所又は入所されている障がい者や、居住する障がい者の方々が、製作された手芸品・工芸品・絵画・書画・写真・陶器等出展された作品を、エントランスホールでは団体製作作品を団体関係者が展示・即売し、ホワイエにおいては個人の展示分を当協会が展示・即売しました。
今年は絵画と書画の展示のみの作品は、エントランスホールの2階の壁面を使って作品を飾りました。
この『障がい者作品展』は、障がい者に対する社会全般の正しい理解と認識を深めるとともに、障がい者に対する社会的自立への意識を喚起して、社会参加の促進を図ることを目的として開催しているものです。
今回、作品展に出展された作品は、手芸品2,276点、工芸品787点、陶器136点、絵画53点、書画8点、写真20点、その他808点、展示のみ絵画9点、書画4点の合計4,101点です。
いずれの作品も、立派なものばかりで、来場者の目を楽しませた2日間の開催でした。
情報通信機器展2013/ユニバーサルデザイン生活展
23日の大研修室では、障がい者の日常生活や社会参加に役立つIT機器や福祉用具、誰もが使いやすいように配慮されたユニバーサルデザイン生活用具など、19社等による多彩な機器やソフトの展示が行われました。
新規参入会社が6社あり新製品や、最新型の機器など新しい製品が展示されました。
今年も大研修室で1日開催し、『要援護者支援グッズコーナー』、『日常生活機器コーナー』、『IT機器/自立支援機器コーナー』の部門ごとにブースをひとかたまりにするなど、来場者にわかりやすいブース配置を行いました。
大阪府ITステーションからも活動紹介のブースを出展し、『就労に直結した各種IT訓練内容の紹介』をはじめ『障がい者ITサポーターの活動紹介(個人指導の実演等)』、『iPadを使ったデモンストレーション』等で、『大阪府ITステーション』を紹介しました。
各コーナーでは、各社から災害時要援護者に役立つ『お手伝いバンダナ』、『医療バンダナ』、『自助13点セット』災害時要援護者救助用担架『フレスト』、災害時要援護者救助用『おんぶひも』、歩行誘導ソフトマット『歩導くん』、微弱電波音声案内システム『てくてくラジオ』、車イスの緊急避難装置『JINRIKI』、『JINRIKI QUIC』」、ipad版、携帯版『聞こえない人の受診ナビ』、『ニゥーミレニアル杖』『ひょっこり杖』、『ふくよく ふわふわマットでも回転板』、音声ガイド機能付きテレビが聞けるラジオ『ワンセグオーディオレシーバー』、音声読み上げ機能を搭載した『液晶テレビ』、『ブルーレイディスクレコーダー』、『ICレコーダー』、『しゃべる液晶テレビ』、『音声ナビつきIHジャー炊飯器』、使用者の身体能力に適合するように使いやすく工夫した日用品(自助具)の紹介、片手で使用できる製品(約30点)の紹介、『ストーマ装具』、『ストーマ装具付属品』等、うつ病や不眠対策のための『goLITE BLU』、緊急通報サービス通信機、ペンダント、音声拡大読書器『とうくんライト』、重度障がい者のためのパソコン操作補助装置、『miyasuku Keypad』、自分の声ソフトウェア『ボイスター』、電気式人工喉頭『ユアトーンU・UB』、音声生成アプリ『ゆびで話そう』、メンタルコミットロボット『パロ』の展示等が行われました。
また、会場では、演台とスクリーンを設置し、出展業者が防災をテーマにした支援者セミナーを2回実施しました。
啓発・体験、広報関係
24日の大研修室では、子どもたちに大人気のアニメ映画『それいけ!アンパンマン』の字幕入りアニメの上映があり、ボランティアグループ『えのぐのうた』によるコンサートと合唱があり、『世界で一つだけの花』を会場の皆さんと練習し合唱しました。
引き続いて、大阪ろうあ会館手話講習会講師による日常の挨拶や会話などの『ミニミニ手話講座』は、障がいのある方とのコミュニケーション方法について考えることや豊かな感性を育んでいただく契機として実施しました。
障がい者や健常者、職業や年齢の区別無く集まった有志の『オーケストラ「響(ゆら)」によるミニ・コンサート』があり、ハンガリー舞曲第5番、『知床旅情、川の流れのように』になどのポピュラー曲を演奏しました。
引き続いて『学生ボランティアによる絵本の読み聞かせ』があり、プール学院大学短期大学の学生がビッグバンで定期的に行っている読み聞かせ(『森の図書館』)を行い、マジックはプロ顔負けの演技で楽しい時間でした。
今回初めて、デフリンピックイベントが行われ、今年の7月下旬から8月上旬にかけて、ブルガリア・ソフィア市で開催された『第22回夏季デフリンピック競技大会』に大阪府から選出された日本代表選手に出演していただき、スポーツを始めたきっかけや大会に出場した感想等について語っていただき、聴覚に障がいのあるスポーツ選手が、各々の分野でチャレンジしている姿を知っていただくことで、聴覚障がいや聴覚障がいのあるひとについて考えるきっかけとしていただくとともに、デフリンピックの存在を来場者に知っていただきました。
その後、障がいのある方々をサポートする盲導犬・介助犬・聴導犬について、『身体障がい者補助犬ってなんだろう?』が行われ、盲導犬、介助犬、聴導犬のデモンストレーションや補助犬使用者体験談を交え、楽しみながら理解を深め、関心を高めていただきました。
23日の中研修室では、『府立たまがわ支援学校及び共生推進教室設置校(枚岡樟風・千里青雲・芦間・久米田の各高等学校)』による喫茶・休憩コーナーが設置され、啓発ビデオの上映と生徒が熱心に接客をしていました。
24日の中研修室では、支援学校の紹介が行われ、府立堺東高校の知的障がい生徒自立支援コースの生徒が、自分たちが日々、生き生きと学校生活をおくっている様子を紹介し、大阪府が進めている府立高校における『ともに学び、ともに育つ』教育について理解していただきました。
また、府立佐野支援学校と泉北支援学校は、社会的自立をめざすための職業コースの取組みを紹介するとともに、府立佐野支援学校は、実際に行っている『職業』の様子をご覧いただき、製作した製品や収穫した野菜などのバザー販売を行い、泉北支援学校は、実際に行っている『作業学習』(木工)の様子をご覧いただき、制作した製品のバザー販売をしました。
2日間、ホワイエとエントランスホールの奥では、障がい者理解の促進、障がい者雇用を支援する施策及び教育に関する施策等のパネル展示を実施するとともに、パンフレット、チラシ等の配布を行いました。
ホワイエにおいては、障がい者施設にて生産された製品を展示、パネルを用いた先駆的な活動の事例紹介を行うとともに、日頃の施設活動を紹介するコーナーを設置し多くの方にご覧いただきました。
2日間、バリアフリープラザ入口では、『阪南病院による庭園療法のデモンストレーション』が行われ、『災害用備蓄米コーナー』では、アンケートに答えたら災害用備蓄米を進呈し、奥では、国内外に公募し選考した作品を、『アートプロジェクト「共振・響心」展』として展示をし、多くの来客でにぎわいました。
バリアフリープラザの中に『障がい者の相談コーナー』を設置し、大障協と阪南病院の専門相談員による、障がい者総合支援制度、就労支援、雇用、職業訓練、教育等に関する障がい者やその家族などの疑問や悩みごと等、様々な相談に答えました。期間中の相談件数は19件でした。
参加体験コーナーでは、障がい者への理解を深めるため、障がい者の視点に立ってアイマスクを付けての盲導犬と体験歩行をすることができるコーナーをバリアフリープラザに設け(23日)、ホワイエでは、来場者に『大阪ふれあいおりがみ』、『ビーズアクセサリーづくり』、『ぬり絵』、『ゆび文字クイズ』を行うとともに、学生ボランティアサークル(桃山学院大学)との共同による体験企画『ミニボーリング』を実施しました。
エントランスホール奥では、ビッグバンいどうミュージアムによる『ゆらゆらバランストンボ、おえかきクリアかざぐるま、なるこ』づくり(23日)、児童虐待防止キャンペーン関連イベント(24日)などを実施しました。
ビッグ・アイに隣接するパンジョひかりの広場では、2日間『支援学校の児童生徒の作品』を展示しました。
大阪府障がい者芸術・文化コンテスト2013
本年度の『障がい者芸術・文化コンテスト』は、平成25年9月14〜16日に開催した『大阪府障がい者芸術・文化フェスタ』において、高い評価を得た出演者・団体9組を対象に、多目的ホールにて、特別審査員に著名なピアニストである、松永貴志氏をお迎えし、知事賞のグランプリ、準グランプリ、及びパフォーマンス賞の表彰を行いました。
グランプリは、『豊中ろう和太鼓クラブ「鼓響」(和太鼓演奏)』、準グランプリは、『丸岡利加(ピアノ演奏)』、パォーーマンス賞は、『エンジェル’s(ヒップホップダンス)』でした。
また、特別審査員の松永貴志氏によるミニコンサートがありました。
屋外交流広場
屋外スペースでは、堺市の協力を得て、地域との協働イベントの実施として、地域の施設等の移動販売車・テントによる飲食及び遊戯の提供、施設製品の販売を行いました。
その他、連日午後5時から、『ゲーム機』、『デジタルカメラ』など豪華賞品が当たる『わくわく大抽選会』があり、多くの人で賑わいました。
『第11回共に生きる障がい者展』は、2日とも、さまざまな趣向を凝らしたプログラムが用意され、来場者の皆さんには存分に楽しんでいただくことができました。
来客者数は、23日4,002人、24日5,637人の合計9,639人で連日たくさんの人で賑わいました。
