大阪府盲ろう者通訳・介助者派遣事業実施要綱 (目的) 第1条 この要綱は、視覚と聴覚に重複して障がいがあることによりその障がいが重度である者(年齢を問わない。以下「盲ろう者」という。)に対して、その意思疎通を支援(以下「通訳」という。)し、及びその外出時において、当該盲ろう者に同行し、移動に必要な情報を提供するとともに、移動の援護(当該外出時の排せつ・食事等の介助その他の当該盲ろう者の外出時に必要な援助を含む。以下「介助」という。)を行う者(以下「通訳・介助者」という。)を派遣する事業を実施するために必要な事項を定めることにより、盲ろう者の自立と社会参加を促進することを目的とする。 (実施主体等) 第2条 前条に定める事業の実施主体は大阪府(以下「府」という。)とし、予算の範囲内で実施するものとする。 2 府は、前項の事業の実施に当たっては、この事業の実施に関し、盲ろう者への深い理解と経験を有し、障がい者や障がい者団体への総合的な相談支援機能を有する者に委託して実施するものとする。 3 府は、前項の委託に当たっては、受託者に対し第3条から第17条に規定する業務のほか、通訳・介助者の派遣に関する調整を行わせるものとする。 (利用の登録等) 第3条 通訳・介助者の派遣の対象となる者は、次の各号いずれにも該当する者であって、通訳・介助者の派遣が必要と認められるものとする。 一 大阪府内に居住する者であること。 二 身体障害者手帳の1級又は2級の盲ろう者であること。 2 前項に該当する者が、通訳・介助者の派遣を受けようとするときは、あらかじめ大阪府盲ろう者通訳・介助者派遣事業利用者登録書(様式第1号。以下「登録書」という。)により、府に登録しなければならない。 3 府は、登録書を受理したときは、利用者登録台帳に登録し、適切に管理するものとする。 (通訳・介助者の登録) 第4条 通訳・介助者になろうとする者は、大阪府盲ろう者通訳・介助者登録申請書(様式第2号。以下「登録申請書」という。)を添えて、府にその旨を申請しなければならない。なお、すでに提出している登録申請書の記載内容に変更があった場合も同様とする。 2 府は、前項の申請が次の各号に掲げる要件をすべて満たす場合は、当該申請をした者を通訳・介助者として登録するものとする。  一 大阪府盲ろう者通訳・介助者確保事業実施要綱第3条第1項及び第2項の修了証書の交付を受けた者であること又はそれと同等と認められる者であること。  二 暴力団員(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第6号に規定する暴力団員をいう。)又は暴力団密接関係者(大阪府暴力団排除条例(平成22年大阪府条例第58号)第2条第4号に規定する暴力団密接関係者をいう。)ではないこと。  三 その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者ではないこと。 3 前項の登録は、当該登録をした年度の3年後の年度末をもって、その効力を失う。当該登録の更新を受けようとする者は、当該効力を失う年度の間に、大阪府盲ろう者通訳・介助者確保事業実施要綱第3条第3項に定める現任研修を修了しなければならない。ただし、知事が特に認める場合は、この限りでない。 4 知事は、前2項により登録された者に大阪府盲ろう者通訳・介助者登録証(様式第3号。以下「通訳・介助者登録証」という。)を交付するものとする。 5 府は、通訳・介助者登録証を交付したときは、登録申請書に記載されている事項を通訳・介助者登録台帳に登載し、適正に管理し、その登録状況を利用者に情報提供するものとする。 6 通訳・介助者は、登録証の記載内容に変更があったとき又は登録証を毀損又は紛失したときは、「大阪府盲ろう者通訳・介助者登録証再交付申請書」(様式第4号)を提出し、通訳・介助者登録証の再交付を受けなければならない。 7 府は、利用者が大阪府管外に旅行する際には、旅行先の都道府県において通訳・介助者として活動している者であって適切と認められるものに当該利用者への通訳・介助を当該旅行する都道府県を通じて依頼することができる。この場合において、第1項から第3項の規定に関わらず、次条から第16条までの規定は、当該通訳・介助を行った者に適用するものとする。 (派遣時間等) 第5条 第3条第3項の規定により登録を受けた者(以下「利用者」という。)の通訳・介助者の派遣時間は、次の各号に掲げるとおりとする。 一 1年間の派遣時間の合計の上限 4月1日から翌年の3月31日までの間で1,080時間(ただし、年度途中で第3条第3項の登録を受けた場合は、当該登録を受けた月を含む当該年度の残月数に90時間を乗じて得た時間を限度とする。) 二 1日当たり派遣時間の合計の上限 8時間(利用者が事前に通訳・介助者及び府の了解を得ている場合を除く。) 2 府は、利用者に対し、その利用状況に応じ、原則として、3月、6月、9月、12月に必要な枚数の大阪府盲ろう者通訳・介助者派遣・利用券(様式第5号。以下「利用券」という。)を配布するものとする。 3 府は、1枚の利用券に対して、1人の通訳・介助者を派遣するものとする。ただし、1回当たりの通訳・介助者の派遣時間が概ね1時間30分を超え、かつ、通訳しようとする情報の量が多いと認められる場合は、1枚の利用券に対して、2人の通訳・介助者を派遣することができる。 (派遣の申請等) 第6条 通訳・介助者の派遣を申し込もうとする利用者は、原則として当該派遣を受けようとする日の10日前までに府に大阪府盲ろう者通訳・介助者派遣事前申込書(様式第6号。以下「申込書」という。)により、申し込むものとする。この場合において、申込書の提出が困難であるときは、電話その他の手段により申込書記載事項を府に連絡することをもって、申込書の提出に代えることができる。 2 府は、前項の申込書の内容が適正と認められる場合であって、次の各号いずれに も該当しないときは、通訳・介助者を選定し、派遣するものとする。 一 通勤、就業その他の反復継続的な活動に係るものである場合又は別の手段により通訳・介助を受けることができる場合。ただし、次に掲げるものを除く。 イ 総合支援法に基づく同行援護を通訳・介助者以外の者から受ける場合であって、当該同行援護を受けて行う活動のうち通訳に係るもの ロ 総合支援法に基づく指定障害者福祉サービスに係るもののうち通所に係るものであって、当該通所のための介助及び1日当たりの当該サービス利用時間のうち1時間に係る通訳 ハ 反復継続的な活動のうち収入を得ないものであって、日常の当該活動のための移動の介助を行う者(業務として当該介助を行う者を除く。)が病気その他のやむを得ない事情によって当該介助を行うことができないと認められるもの 二 通訳・介助者自らが車両又は自転車を運転して介助する場合 三 公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする場合 3 前項の派遣を受けることができる場合において、当該利用者は、自ら通訳・介助者の選定をすることができるものとする。この場合において、当該利用者はその依頼内容を府に報告しなければならない。 4 前2項において選定される通訳・介助者は、当該利用者の同居の者又は家族以外の者から選定されなければならない。 5 当該利用者が通訳・介助者の派遣を受けたときは、1時間あたり1枚の利用券を当該派遣された通訳・介助者に提出するものとする。ただし、当該派遣を受けた時間に30分未満の端数が生じたときは、次の各号に掲げる方法により取り扱うものとする。 一 当該1日のうちで派遣を受けた時間の合計が30分に満たないとき当該利用者は、実際の派遣に要した時間を利用券に明記して、当該利用券(以下「30分利用券」という。)を当該派遣された通訳・介助者に提出することができる。 二 当該1日のうちで派遣を受けた時間の合計が30分以上1時間未満のとき 1時間として取り扱うものとする。 三 当該1日のうちで派遣を受けた時間の合計が1時間以上のとき 30分未満のものは切り捨て、30分以上1時間未満のものは1時間として取り扱うものとする。 (活動報告) 第7条 通訳・介助者は、業務終了後1週間以内に大阪府盲ろう者通訳・介助者活動報告書(様式第7号。以下「活動報告書」という。)と、当該派遣にかかる利用券を府に郵送にて提出しなければならない。 2 府は、通訳・介助者から提出された活動報告書及び利用券について、その内容に事実との相違がないか確認するものとする。 (活動手当及び実費弁償) 第8条 府は、通訳・介助者の1月分の活動の対価(以下「活動手当」という。)を、次の各号に掲げる方法により、その翌月20日までに、通訳・介助者に支払うものとする。この場合において、府は、活動手当等の支払明細書を事前に送付するものとする。 一 利用券1枚当たりの活動手当 1,450円 二 30分利用券1枚当たりの活動手当(記載されている時間の合計(以下、この項において「合計時間」という。)が15分に満たない場合) 360円 三 30分利用券1枚当たりの活動手当(合計時間が15分以上の場合) 720円 2 府は、前項の活動に関し、当該通訳・介助者の自宅から業務開始地点まで及び業務終了地点から自宅までに要した交通費について、最も経済的な通常の経路及び方法によるものと認められる実費を弁償するものとする(ただし、1日当たり2,000円を上限とする。)。 (費用等) 第9条 通訳・介助に係る費用等の扱いについては、次によるものとする。 一 通訳・介助者の派遣に係る利用者の費用 無料 二 通訳・介助者の派遣を受けて行おうとする活動に関して発生する交通費、入場料その他の費用 利用者の負担(通訳・介助者に係るものを含む。) 三 通訳・介助者の派遣を受けて行った活動において、通訳・介助者の責に帰すべき事由により利用者の受けた損害 通訳・介助者の負担 (通訳・介助の質の確保) 第10条 通訳・介助者は、利用者に対する通訳・介助を行うに当たって、次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。  一 通訳・介助に専念すること。  二 利用者の人権と意思を尊重し、その主体的な自己決定に資すること。  三 通訳に当たって、正確性及び即時性の確保を期すこと。  四 介助に当たって、利用者の安心と安全の確保を期すこと。  五 業務上知り得た情報を利用者の同意を得ないで第三者に提供し、又は、公表しないこと。  六 この要綱の規定を遵守すること。 2 利用者は、通訳・介助者が前項各号に掲げる事項を遵守していないと認めるときは、その旨を府に通報することができる。 (報告等) 第11条 府は、前条第2項の通報があった場合のほか、必要と認めるときは、この要綱の適正な運用を図るために必要な事項に関して、通訳・介助者に対し報告を求めることができる。 (是正指導) 第12条 府は、通訳・介助者が次の各号のいずれかに該当するときは、通訳・介助者に対し、期限を定めて必要な措置を講ずべきことを求めることができる。 一 第4条第2項の登録の基準を満たしていないと認めるとき。 二 第6条第2項の選定の打診があったとき、正当な理由がないのにこれに応じないとき。 三 第7条第1項の期限までに活動報告書の提出をしないとき。 四 第7条第2項の確認に正当な理由がないのに応じず、又は確認の結果、事実との相違が認められたとき。 五 第10条第1項各号の事項を遵守しないとき。 六 前条の報告に正当な理由がないのに応じず、又は報告の結果、府が必要と認めるとき。 (通訳・介助者の登録等の停止) 第13条 府は、通訳・介助者が次の各号のいずれかに該当するときは、期間を定めて当該通訳・介助者の登録を停止することができる。 一 前条に定める是正指導のために必要があるとき。 二 前条に定める是正指導に正当な理由がないのに従わないとき。 三 この要綱の規定に違反する行為(以下「違反行為」という。)をしたとき、又は他人に対して違反行為をすることを要求し、依頼し、若しくはそそのかし、若しくは他人が違反行為をすることを助けたとき。 2 府は、前項の規定により登録を停止したときは、その旨を利用者に公表しなければならない。 (登録の抹消) 第14条 府は、通訳・介助者が次の各号いずれかに該当するときは、その登録を抹消するものとする。  一 前条第1項第2号又は第3号に該当し情状が重いとき。  二 前条第1項の登録の停止に違反したとき。  三 第4条第2項各号の要件を満たさなくなったとき。  四 不正の手段により第4条第2項の登録を受けたとき。 2 府は、前項の規定により登録を抹消したときは、その旨を利用者に公表するものとする。 3 府は、利用者又は通訳・介助者から大阪府盲ろう者通訳・介助者派遣事業利用者又は通訳・介助者登録辞退届(様式第8号)による届け出があったとき又は通訳・介助者が第4条第3項により登録の効力を失ったときは、その登録を抹消することができる。 (活動手当等の返還) 第15条 府は、第12条に定める是正指導、第13条第1項に定める登録の停止又は前条第1項の登録の抹消をした場合に、必要と認めるときは、当該通訳・介助者又は通訳・介助者であった者に第8条の活動手当又は実費弁償の返還を請求することができる。 (秘密の厳守) 第16条 通訳・介助者は、その登録の効力を失い、又は抹消された後も、業務上知り得た情報を利用者の同意を得ないで第三者に提供してはならない。 (事務の協力) 第17条 府は、事業の実施に当たっては、事業を円滑に実施し、盲ろう者団体をはじめ関係機関と密接に連携・協力することとする。 (その他) 第18条 この要綱に定めるもののほか必要がある事項は、府が別に定める。 附 則 この要綱は、平成25年4月1日から施行する。 附 則 この要綱は、平成26年4月1日から施行する。 附 則 この要綱は、平成27年2月1日から施行する。 附 則 この要綱は、平成28年4月1日から施行する。 附 則 (施行期日) 1 この要綱は、平成29年4月1日から施行する。 (経過措置) 2 この要綱の改正前の要綱(以下「改正前要綱」という。)第12条第1項の規定により行った登録及び同条第2項の規定により行った登録の更新については、平成31年3月31日までの間は、この要綱第4条第3項の規定にかかわらず、なお従前の例による。 3 改正前要綱第12条第5項の規定により登録を行った者の登録及びその派遣については、この要綱第4条第7項前段の規定にかかわらず、なお従前の例による。 附 則 この要綱は、平成30年4月1日から施行する。    附 則  この要綱は、平成31年3月8日から施行する。 附 則  この要綱は、令和2年3月24日から施行する。