新年のごあいさつ

理事長  西口 禎二

  明けましておめでとうございます。

  皆さまには、お健やかに輝かしい新年を迎えられたことと思います。今年一年が、皆さまにとって穏やかな良き年でありますよう、心よりお祈り申し上げます。
 また、日頃から当法人の運営に格別のご支援、ご協力を賜り、この機会に厚くお礼申し上げます。

 世相を反映すると言われています漢字一字に、昨年は「戦」が選ばれました。その理由は、
◦ ウクライナ侵攻、北朝鮮の相次ぐミサイル発射などにより「戦」争を意識した年であった。
◦ 円安・物価高・電力不足や感染症など、生活の中で起きている身近な「戦」いがあった。
◦ サッカーW杯や北京五輪での熱「戦」、野球界での記録への挑「戦」に関心が集まった。
というものでした。まさに昨年一年を象徴しているのではないかと思います。

 今年は、3月に「第5回ワールド・ベースボール・クラシック【WBC】」が、9月~10月に「ラグビーワールドカップ2023」が開催されることになっています。また、「G7サミット2023」が5月に広島で、「IOC総会」が5月又は6月にインドムンバイで開催され、札幌市が立候補している、2030年の冬季五輪大会の開催地が決定される予定です。

 今年も多くの国際的なイベントが繰り広げられますが、個人的には大の野球ファンなので、WBCに注目しています。特に、今回は、令和初の最年少三冠王の村上宗隆選手や28年ぶりに最年少で完全試合を達成した佐々木朗希投手に加え、メジャーリーガーの大谷翔平選手やダルビッシュ有投手、鈴木誠也選手の参「戦」も見込まれ、話題が豊富で期待が膨らむばかりです。ガンバレ日本!

 さて、今年の干支は、「癸卯(みずのとう)」年です。一説によれば、「寒気が緩み、萌芽を促す年」になるとのことです。コロナ禍以降、停滞し続けていた世の中に、そろそろ希望が芽吹く春がやってくることを期待したいと思います。
 一方で、「今まで培ってきた自身の力が試される年であることも示唆しているため、最後まで諦めずに希望を持ち続けながら、でも無理をしすぎないことが道を開く鍵になる。」とも言われています。

 前回の卯年(2011年)を振り返りますと、東日本大震災がありました。東北唯一のプロ野球球団の東北楽天ゴールデンイーグルスも大きな被害を受けましたが、当時選手会長であった嶋基宏選手の言葉が忘れられません。

 「今、スポーツの域を超えた野球の真価が問われています。見せましょう、野球の底力を。見せましょう、野球選手の底力を。見せましょう、野球ファンの底力を。」 これは、震災後1カ月もたたない中で復興支援チャリティマッチでの試合前のスピーチの一部ですが、今でもこの言葉を聞くと目頭が熱くなります。2年後の2013年になりますが、田中将大投手がシーズン24勝0敗という驚異的な成績を残し、楽天は見事日本一を手にすることになります。まさに「底力」を見せてくれました。

 私事ですが、理事長就任後1年半が経過し、最近は、昨年のキーワード「挑戦」を踏まえ、「ちょっと変?何か変?」と思われることについて、原点に立ち帰り、「あるべき姿」の追求に力を入れています。

 コロナ禍で依然として厳しい状況に変わりはありませんが、しんどい時、辛い時ほど真価が問われています。今こそ、全員野球でこの難局を乗り越える必要があります。このため、今年は、昨年の「挑戦」という姿勢を維持しながら大障協の「底力」に期待し、「あるべき姿」をとことん追求していきたいと思います。
 今年もよろしくお願い申し上げます。

 令和5年1月4日